プロローグ



〜はじまり〜
俺はもう何度目かになる考えをめぐらしていた
俺は最後まで諦めるつもりはない
いつだって最後まで諦めない者に
最良の手段がめぐってくるという事を信じて


この世界には魔術師がいる
ある学者が
この世界には魔力(マナ)というものがあり
それが世界を構成している
それは、変化・融合・共鳴などさせることにより
さまざまな現象を起すことができる
これは確かであり、これを研究すれば
科学は大きな進歩をする
と学会で提唱され見事証明された
そのことにより今まで
細々と生きてきた魔術師は脚光を浴び
一気に研究対象となり
たくさんの成果を残した
例えば医療
今まで腕の再生は不可能といわれていたが
完璧とはいわずとも擬似的な
腕の機能をもった精巧な義手ができたり
絶対に治らないといわれていた病気が
薬などを用いない
浄化する形で
治療されるようになった
ここで魔術について簡単にまとめると
魔術は魔力をある一定の過程をとおしてやる事で
起こる「現象」の事だ
魔術師が呪文または詠唱と呼ばれている行為を行う事で発動する
こんな感じだ
また難しいことをしようとすれば
難しい行為をしなければならない
その行為をすればこんなことができるなどの法則を探すのが
魔術師の仕事になる
先ほどから出ている魔力というのは
世界を構成するもの
世界にあふれているもののこと
また魔力は属性という特性をもち
これが合わさる事でさまざまな物を構成しているといわれる
さて魔術師は魔力を操るといったが
これには限界がある
ある一定量の魔力を操る力これもまた魔力という
またその操った力は魔術で使用されてしまうため
人間が回復できてかつその器にある限界量
これを保有量という
これの天性が多大に必要な魔術師という者は
全人口の八割が魔力を知覚できるようになった
今ですらそれ程多くない
その中で魔力や保有値を高く持つ者がいる
それは大抵の魔術が使用できるのと同義なので
そんな魔術師達を有効に成長させる機関ができた
その機関の一つである
時神学園(ときがみがくえん)
その名のとおり
学校である
数少ない魔術師養成学校であり
世界からかなり期待されている学校でもある
ここに通れば大抵の研究機関からオファーがくる
そんな優秀な学校なので受験はかなり難しい
まず一次試験
これは筆記試験なのだが
ただの筆記試験ではない
諸所に潜在的素質を図るための魔術や
罠が隠されている
例えば簡単な催眠術など
これを受けて
順位が決まる
そのうち上位10数名が
その実力をみとめられ
特別クラスとなり突破する
そしてそれ以下の
補欠合格をしたものが
二次試験へと歩を進める
そして今
俺はその二次試験の真っ最中だ・・


二次試験内容はいたってシンプルだ
時神学園の中にある体育館に
規定時間までにたどり着けばいい
しかしそれは生半可な事ではない
周りは5M近い塀にかこまれその上も強力な結界が張られている
裏門・正門ともに改札のようなものがあり
特別クラスはそこにカードを通せば通れる
しかし補欠合格者はその改札を騙すか破壊して通り
武装した警備員の目をかいくぐらなければならない

その改札を騙すのは容易な事ではなく
補欠合格者の5割はこの改札を見て解除できない事を悟り
あきらめる
残りの物は塀を突破するかそれとも強行突破して
警備員を潜り抜けるかを考え出す
もちろんそれだけの自信があるものも多々いる
この試験は有名なため
二次試験のために訓練してくる者までいる
さてこの俺
志海 紅は、一次を受かる気など到底なかった
俺には姉がいる
この学園に通っている
その姉は特別クラスにかよっている
姉がどんな人物か知っているためどれほどの実力がなければいけないか大体予想がつく、その上俺はほとんど魔術が使えない
俺にあるのは武術で鍛えたこの体と
微妙な超能力だけ
まあこの超能力のおかげで一次は突破できたと思っている
話がそれた
一番重要なのはそこではない
一番重要なのは、俺はこの学園に行きたいわけではない
もっと言うなら行きたくない
恐ろしい姉のいる学校などホントはパスして
近所のレベルに合った普通学校に行く予定だった
願書提出期間になったら姉が来て
うちの学校に願書出しておいたから
とかいって帰っていった
それで泣く泣くこの受験を受けている
「後十分になりました」
ピン、ポン、パン、ポンとアナウンスがなる
そろそろ動き出さないと体育館にたどり着けないだろう
もしこのままリタイアしたら姉はどうするだろう
・・・・・・コロサレル
動き出すしかない
深呼吸をして体の調子を整える
さあ行こう
戦いの始まりだ・・・
いつも隠し持っている
ナイフを抜いて改札に近づく
もう周りには誰もいない
ほとんど諦めて帰ったかクリアーしたのだろう
見ると警備員も見えない
目で改札の構成を解析する
起動するために最も大切な場所を見つけ出す
「・・・・見えた」
その急所に沿って回線ごと切り裂く
改札を解体した
これで警報は・・・・
ビー−−−−ー−!!
けたたましい音が鳴った
「あーーー。」
機械自体に何かあった場合はレトロな装置によって管理された機構
により警報が鳴るようになっていたらしい
完全に盲点だった
魔術師が仕掛けるなら全て魔術的なトラップだと思っていた
ザッザッと警備員が集まってくる音がする
「ハ〜〜〜〜〜〜〜〜。」
盛大にため息をつく
ここから先は長い長い距離を全力で走り抜けなければならない
最後に一言叫ばなきゃやっていけなかった
「世界のバッキャロ-------!!!!」
それだけ言って駆け始めた
目の前に大柄な男が現れる
止まれとか何とか言っている気がするが無視
問答無用で蹴り飛ばす
相手はまさか魔術以外で攻撃してくるとは思っておらず
あっけなく吹き飛ばされる
後ろから捕縛系の網の魔術が放たれる
それを一気に解析し
殴るようにして解除する
「な?!」
かなり驚いたようだ
そりゃそうだろ
このような解除の仕方は
俺だけしかできないだろうから・・・
それからは何十にもかけられる魔術を走りながら回避、解除していく
正直死ねる
ムチャクチャきつい
多分時間的には5分くらいしか、経っていない
だが俺には5時間ぐらい走り回っているように感じる
ああ
ホント
素晴らしすぎるぜこの世界は
ふと人影が見えた
「おそ〜〜〜〜い!!」
・・・・危なかった一瞬転びかけた
その人影は近づいてきて俺と並走してくる
我が姉だった
「いつまで時間をかけてるの全く
お前だったら 一番最初にこれるでしょ!!」
もちろんこの間全速力で走っている
我が姉には軽いスピードなのだろう
俺はゼーハ−言いながら返す
「無理いうな、俺は、そんなにすごくねー。」
フンと鼻を鳴らして
「まあいいや、じゃあさっさとクリアーしなさいよ!」
一気に加速してどっかに行った
・・・
ああいいぜ
世界よ
俺にケンかを売ってるんだろ
買ってやるよ
もう体は走れないとかほざきやがるが無視をして
数少ない使える魔術である
「強化」を使う
あと3分
周りに人の気配が出てきた
ここが最終防衛ラインらしい
体に残る力全てを使ってここを突破する
それで馬鹿らしい勝利を勝ち取ってやる


「む〜。遅い!!」
志海 汐(しかい しお)は怒っていた
この程度のテスト私の弟なら
瞬殺と思っていた
しかしいくら待ってもくる気配がなかった
ちょっとムカッときたので
捜しに行くとまだ警備員と遊んでいた
さらにムカッときたが
まあちゃんと来てくれただけでも
本当は嬉しいなどとは言わない
だから少しだけ喝を入れていくことにした
「おそ〜〜い!!」
かなり驚いたようだ
「いつまで時間をかけてるんだ全くお前だったら
一番最初にこれるでしょう。」
というと
「無理いうな、俺は、そんなにすごくねー。」
などといった
・・・ムカ
不快指数がどっと上がった
「まあいいや、じゃあさっさとクリアーしなさいよ!」
あとで殺してやるから
そう決めた
こいつの場合はちょっと自分を卑下しすぎている
ひとつ自分の立場を教えてやらねばならない
ふふ
少し顔が引きつる
ああ本当に楽しみだ
あと1分後
合格式が始まる
弟は絶対に間に合うだろう
これは絶対
なぜなら・・・
私の愛すべき弟なのだから

「クソ!!」
時間がない
あと30秒
距離は100m
体の状態はもう立っているのが不思議な状態
それぐらいボロボロ
全くこんな事なら逃げればよかった
大変な姉を持ったと思う
俺の姉 汐は
基本的に美人の部類に入る
と思う
まあファンクラブがあったのでそうだろう
ただ美人なだけじゃなかった
それだけなら他にもたくさんいるが
姉は違う
まずその知性
とにもかくにも頭がよかった
そのくせ誰にでも明るい
スポーツもできる
そしてちゃんと自分の弱点を理解していた
もうあらゆる意味で完璧だった
努力もちゃんとして人の心配もできる
ただ俺の事となると違った
さながら暴君
今日の不幸は全て俺のせいだとでもいわんばかりに
こき使ってくる
だから学校でもよくこき使われて
やりたくもない生徒会に入れられて
手伝わされ
一人で飯を食おうと思ったら
突然現れ飯を買ってこさせる(俺の金で
幾度となく戦闘をした
しかし優秀な姉に勝つ見込みなどない俺は負けるしかない
ただ両親にこの話をすると
お前は愛されてるなといつも言ってくる
いわく
姉は両親にすら気を使っている
そんなものは必要ない
いつでも甘えていいと思っているが
姉はそれを許さない
ただそれでも俺にだけは気を許せるから優しくするのだろう
といっている
正直信じられない
いつもいじめられてばっかだから
ただそれでも
ここを落ちて困らせたくはない
ホントそれだけ
体の鞭打って走り出す
まあもうひとつ有るけど
親とかにはこっちで言い訳している
全く正直じゃないのは
どちらだろうか
「くっ、は〜。」
もう息は絶え絶え
体は倒れそうになる
後ろに追手はいない
まあ全員気絶させたわけだから当然だ
あと10秒、距離は・・・
もうわからない
目の前に扉が見えた
人が立っている
もう戦う気力はない
ア〜アここで脱落か
と思ったがそれでも諦めきれず
扉に突っ込むように
体当たりをする
すると相手はひらりとよけ
俺はドアをぶち壊して入った

・・・10秒前
遅すぎる
まさか誰かに捕まったのだろうか
いやそれはない
弟は優秀だ
それに戦闘は別格に強い
そんな弟が負けるはずはない
あと5秒
・・・え?
嘘?
あいつがおちる?
そんなはずはない
と思って
扉によっていくと
バコー--ン!!
扉が何者かのタックルによって破壊された
というか
「紅!!」
だった
イテテテ
とかいいながらかなりボロボロになっている
私に会った時はそれほどでもなかったのに
「あ!紅君!」 
といって
桃ちゃんが寄って来る
「クソ!姉貴俺間に合ったのか?!」
と聞いて来る
「へ?」
突然で対応できなかった
そうすると
「ええ。合格ですよ志海くん。」
といって生徒会長がきた
確か合格者に挨拶をするのだ
私はその挨拶の手伝いという名目でここにいる
会長が手をかざし回復魔術をかける
「おお〜。姉貴の見たいに痛みがのこんね−。」
え?とこちらを向いてくる
そっぽを向く
もちろん私は完璧な回復魔術を使える
しかし弟には教育のため
痛みを残すようにしていた
「・・・まさか。姉貴回復魔術って痛み残らないのか?」
紅はもうムクリと立っていた
まあ会長の回復魔術は
精神的にも回復できるいいものなのだ
「・・・そうよ。」
微妙に聞こえるかなというぐらいの声で言った
「コロス」
あ、きれた
というか
なぜきれる
私のほうが切れたい
といか
「きれよう。」
私もきれる事にする
逆ギレではない
と思う
弟の腕をへし折らんと
つかみにかかる

こうして志海 紅は
時神学園に無事合格した